アルファ電子 魅惑の3タイトル

 ↑サウンドボード基板

 「16ビットCPU搭載!」
’84年当時はまだCPUの処理能力がゲームの売り文句に十分通用する幸せな時代でしたね(笑)
CPUに68Kを使用していた基板はナムコの「リブルラブル」ぐらいで、アルファ電子は他社に先駆けて採用し、その基板スペックの高さをアピールしていました。
確かに、軽快に動くキャラを初めて見た時は、その圧倒的とも感じるパワーに驚きもしましたが、そんな処理能力の高さよりも、 さらに気を引く綺麗なサウンドの方が印象に強かったです。

このサウンドボード、当時一般的だったPSG音源の”AY−3−8910”の他に、 沖電気がシンセサイザー用に開発したオルガンIC”M5232”を搭載していますが、このM5232が同時発声8音の、厚みのある味わい深い良い音を出すんですよ。  ゲームそのものの面白さ以外にも、このサウンドに惚れたファンはかなり多いと思います。
この音源、アルファ以外にタイトーも採用していて、BGM人気の高い「ワイバーンF0」でも重厚なオルガンサウンドが堪能できます。  こちらはCD化されているので、興味のある方はぜひとも聞いて見て欲しいですね。

このアルファ電子のサウンドボードを使った作品は、
 ●エクイテス ●ブルファイター ●ザ高校野球 ●激走 
 ●スプレンダーブラスト ●ハイボルテージ
がありますが、ここでは最も人気のある3作品をご紹介します。

●エクイテス (1984年)

 「ソリッドバイオレンサーを撃て!」
自キャラは出来損ないのガ○ダムみたいでダサいデザインですが、なんとなくカッコイイ響きの名前のボスが、どんな姿なのか気になって、 なんとか見てやろうと必死になってプレイしてました。  結局、当時はソリッドバイオレンサー様のお姿を見る事は出来なかったんですが、 後に基板を手に入れてから10年越しの思いが叶って目の当たりにした姿は、結構カッコよかったですね。 ・・・自キャラに比べれば(笑)

縦スクロールのアクションシューティングですが、特徴として地上ショットと飛行形態の上空ショットを使い分ける高さの概念があります。  ステージ途中の各所には地下要塞への入り口があり、そこでは4種類のスーパーウエポンが手に入りますが、 基板(筐体)の設定によって通常ショットボタンと兼用の2ボタン仕様か、独立して発射できる3ボタン仕様かの切り替えがあって、 2ボタン仕様はスーパーウエポンを使いたくなくても使い切ってしまいます。  後半面ではスーパーウエポンを温存しておかないと、かなり厳しい戦いを強いられ、面白さも半減しますので、 これからレゲーコーナーなどでエクイテスを設置するお店は必ず3ボタンにして欲しいです(願)   敵も結構頭が良くて、地上と空中の複合攻撃を仕掛けてきたり、自機の行動に合わせて多彩な動きを見せるのもウリの一つでした。  画面下にはステージの進み具合がKmで表示され、主要な地下要塞の把握や、何処まで進めたか自分の上達の目安にもなって、 当時は友人と「今日は○Kmまで進めたぞ〜」とか言って競ったりしてました。 いい時代でしたね(笑)

まぁ、余談ですが、リスタートの曲が私にはどうしてもマクロスの曲に聞こえるんだけどなぁ。(テンポが遅いけど)

●スプレンダーブラスト (1985年)

宇宙を舞台にしたハイスピードレースゲーム。  当時、テーブル筐体用のゲームとしては珍しい3D視点でスーパーファミコンでよく使われた、背景面を画面奥に倒したような映像処理がされていますが、 SFCに先駆けてこの時代に実現している辺りに技術力の高さと言うかセンスの良さを感じさせます。  センスがいいと言えば「スプレンダーブラスト」のネーミング。 このゲームのイメージにピッタリで、タイトルを聞いただけでも面白そうに感じます。
と、今ではかなりのお気に入りゲームであるこの作品も、当時の私はほとんど遊んだ事がありませんでした。  と言うのも、その頃は少ないお小遣いを握り締めて、せっせとゲーセンに通っていた貧乏小学生(笑)  展開が速くお子様には厳しい難易度の本作はプレイ時間が短いのでアウトオブ眼中(爆)でしたが、 インパクトのあるタイトル名だけは覚えていましたので、後にプレイしてみて、その爽快感溢れるゲーム展開にすっかり虜になりました。

ゲームの方は、各ステージをエネルギー内でゴールすればクリアとなる明快なルールで、レース自体は一本道で常に前へ進むのみですが、 途中ライバル機や色々なギミックが行く手を妨害します。 ステージ内には”E”、”M”のアイテムがあり、 それらを取る事によってエネルギーの補給と障害物を破壊する事の出来るミサイルの補給ができ、 また各ステージ中盤には自機のパワーアップパーツのトランスポートが出現し、パーツを取る事によってレースが有利に進められます。

今となっては平凡な内容ですが、アクションレースゲームの原点のようなシンプルさを是非味わってみて欲しいです。


●ハイボルテージ (1985年)

「スプレンダーブラスト」に続く3Dゲームの第2弾。 今度はコックピット視点のシューティングで大暴れです(笑)
当時は・・・と言うか、今でも珍しいと思いますが、コックピット視点の見た目の目新しさと、チョッと時代を感じさせる・・・そう、「サンダーバード」のような(笑)インストのイラストに惹かれてよくプレイしていました。

ゲームシステムは、自機の正面(インストで説明する所のキケンゾーン)に敵弾が当たらないよう左右に避けながら、一定時間押しっぱなしで連射できるショット(レーザー砲?)と、広範囲の敵を破壊できるミサイル(いわゆるボンバーみたいなの)を駆使して敵を撃破していきます。 ステージの途中では、宇宙物・ロボットアニメではお約束の(笑)味方ロボット「アボ」を運んでくる、いわゆるアイテムキャリアが出現し、ソレを破壊するとアボが自機に搭乗してミサイルの自動補給や隠しキャラの位置(コレ重要)を教えてくれたりします。 そうそう、コイツが登場する時に「I’m ABO!」と喋るんですが、当時のお子様の耳には「I’m アホ!」と聞こえてまして、コイツあほの坂田(勝手に命名)の割には使えるヤツだ・・・なんて思ってたりしましたね(笑)
ステージ最後には、この頃からお約束になりつつあった大型のボス敵も出現し、緊張感、メリハリある展開が楽しめます。

当時にしてはステージ数も多彩で、ゲーム開始時のス○ーウォーズ風のメッセージなど、演出面でも力の入った作品です。 グラフィックはさすがに古さを感じさせますが、ゲーム的には今でも熱いプレイを楽しませてくれる隠れた名作の一つです。