うんちくマニア コンパイルシューティング編

  ●ザナック シリーズ
 シューティングの名作と言って、まず思い出されるのが往年のコンパイル作品の数々。
 その中でも、私の心の一本と言える物が「ザナック」です。

 メインショットと8種類のサブウエポンを駆使して12ステージを戦います。
 このゲームのウリの一つでもあった、当時では珍しい難易度自動調節機能(広告などではAIって呼んでましたね)は、
 自機の装備やプレイ状況にあわせて敵の攻撃が変化し、ワンパターンになりにくい展開が楽しめます。
 シンプルだけど奥が深い。 初心者には遊びやすく上級者には手強く・・・ まさに理想的なシューティングゲームです。
 非常にシンプルですが、その分細かい事を考えずゲームに熱中でき、シューティング本来の面白さを堪能するには最適な作品です。
 私は今でも暇な時に遊んでまして、タイトルの曲を聴くと撃ちこみたい衝動にかられます。

 ↑FCディスク版

 ↑NES版
 ザナックと言えばコレ。 FC版。
 周りの古株ゲーマーに聞くと、必ずと言っていい程「プレイしたよー」と返事が返ってきます。
 書き換えも含めれば、かなり普及していたのではないでしょうか。

 海外NES版はROMカセットでの供給なので、ロードの煩わしさもなく快適にプレイできます。
 NES版は若干内容が違うようですが変更点は不明です。(えー


 ↑MSX版
 こちらのMSX版では、FCとは違う面構成で自機のパワーアップも控えめな作りになっています。
 ハードの機能的制約の為、カクカクしたスクロールは仕方の無い部分ではありますが
 FC版になれたプレイヤーにも新鮮な感じで遊べるのではないでしょうか。


 ↑MSX2版
 後に出たMSX2版。 ザナックEXと銘打たれてます。
 MSX1版よりもFC版の方が好評だったのか、MSX2版では背景の配色が違いますが
 基本的にはFC版を踏襲した作りになりました。
 しかし、ゲームスピードが遅い為、爽快感が感じられなくなったのが残念です。
 


 ↑ザナックxザナック PS版
 2001年にPSで発売されたザナック最新版「ザナックxザナック」。
 PSで新たに蘇った「ザナックNEO」に加え、FCディスク版とNES版も収録したお得な一枚。
 これからザナックを体験する方には、プレイ環境も揃えやすいPS版がオススメです。

 今回のザナックNEOは、初代ザナックから大きなシステムの変更はありませんが、
 敵を逃さずに破壊していく事でHIT数が上がっていき高得点を狙えるフィーチャーが追加され
 スコアアタックも意識した作りにシフトしています。
 グラフィックが美麗になり、サウンドが豪華になっても、いざ遊んでみると確かに「ザナック」を
 思い出させる内容には、FC版から遊び続けているファンも納得の出来だと思います。


●番外編●
 
(写真はディスクステーション収録版)
 ザナックより以前にMSXで発売された、初期のコンパイルオリジナルシューティング「E.I.」。
 ただ画面上にワラワラと現れる敵を打ち落としていく単純なゲームながら、

 敵のアルゴリズムに、ザナックと同じ匂いが感じられ、ザナックの前身を思わせる作品で、
 ファンならば話のネタに一度は遊んでおくのも一興かと思います。






  ●アレスタ シリーズ
 ザナックの面白さはそのままに、ストーリー展開や演出面を強化したものが「アレスタ」シリーズです。

 共通するキーワードは、主人公の「ワイゼン」一族(?)と、敵となる暴走した環境コンピューター「DIA51」。
 これらとは関係ない外伝的な作品もありますが、基本的にはこの二者の戦いのストーリー展開となります。

 ↑マスターシステム版

 ↑海外マスターシステム版
 アレスタの原点のマスターシステム版。
 初めてMSのアレスタを見た時は、正直「ザナック」を移植して欲しかったなぁと思いましたが、
 プレイしてみてザナック進化版みたいな感触がとても気に入って、暇さえあれば遊んでいました。

 海外では「PowerStrike」名で発売されています。



 ↑MSX2版
 MSX2版のアレスタ。
 基本はMS版と同じですが、主人公キャラ(と彼女)がお目見えして
 ビジュアルデモでストーリーを語ってくれます。
 おまけに、新たな2つのステージが追加された豪華版。
 でも、ゲーム中のキャラの書き込み具合はMS版より落ちるのが難点でしょうか。

 ディスクステーション創刊号ではオリジナルステージのアレスタが楽しめます。




↑アレスタ2 MSX2版
 アレスタの純粋な続編。
 この年代のゲームは、ビジュアルデモでのストーリー演出が流行りだった為か
 本作も負けじと、ディスク1枚使った気合のビジュアルデモが楽しめます。

 今回からはゲームスタート時にサブウエポンのセレクトが出来るようになり
 どの武器をチョイスするかで、プレイヤーの戦略と言うか好みが反映できるシステムとなっています。

 ディスクステーション#23では、オリジナルステージのアレスタ2も遊べちゃいます。



 ↑武者アレスタ MD版
 アレスタと名前は付いていますが、今までとはガラリと作風が変わります。
 自キャラがロボットになり、世界観はよくあるガン○ムチックなテイストに和風なスパイスが効いたイカした設定。
 本作では、サブウエポンの種類は3種類と厳選されましたが、フォーメーション変更の出来るオプションや自機スピードの変更など
 テクニカルなシステムも追加され、今まで以上に爽快感のある内容に仕上がっているオススメゲームです。



 ↑電忍アレスタ メガCD版
 コンパイル10周年記念作品
 ・・・とは言うものの、気合が空回りしたような雰囲気に感じます。
 気持ちよく遊べないと言うか、自キャラの当り判定が大きく感じるせいか
 アレスタ独特の爽快感が乏しい窮屈な印象を受けてしまいます。設定は結構凝ってて好きなんですが。
 しかし、メガCDの機能を生かした画面効果や演出は必見ですし

 BGMもお洒落ないい感じの仕上がりなので、和風ハウスCDとして買っておくのも悪くは無いかな?



↑スーパーアレスタ SFC版
 他のアレスタシリーズとは異質な印象を受ける一品。
 多方向ショットや独特な軌跡を描くレーザー、キャラやステージデザイン・・・
 アレスタと言うよりは、まさにPCEのガンヘッドのような印象です。
 発売元が東宝ですし、最初の企画ではガンヘッドの続編で進んでいたのでしょうか?

 SFCソフトではお約束の拡縮回転を効果的に使った演出も効果的ですし
 ゲーム的にも良く出来たタイトルですが、アレスタとして遊ぶと肩透かしをくらうかも。



↑GGアレスタ GG版
 GGでのアレスタシリーズ1作目。
 MDやSFCとは違い、プレイ感覚は初代に近い正統派アレスタ的な雰囲気で
 若干、展開の単調さはあるものの、しっかりと楽しめる良作です。
 携帯機での作品の為か、手馴れたシューターなら初プレイALLクリアも容易なくらいの
 難易度ですが、そんなマニアな方の為に打ち返し弾が大盤振る舞いの
 スペシャルコースも用意されている、至れり尽せりな1本です。



 ↑GGアレスタ2 GG版
 GGでのリリース第2弾。
 本作から新システム”Gストライク”・・・いわゆるボンバーが使えるようになり
 当時の縦シューの主流スタイルに変更されています。
 おまけに、3D風のボーナスステージも追加され、今までのアレスタと比べるとずいぶん進化した感じさえします。
 プレイ感覚は武者アレスタに近い印象で、そちらを気に入った方ならば、
 レアと言われて中古価格の高いGGアレスタ1よりは、2の方が個人的にはオススメです。



↑POWER STRIKE2 海外MS版
 海外MSのみで発売された現時点でのアレスタ最終作。
 「PowerStrike」はアレスタの海外でのタイトルで、その”2”と言う事ですから
 システム的にはアレスタ2をベースに作られています。
 今までのアレスタシリーズと比べるとスピード感のある展開で
 難易度も若干高めのプレイし応えのある作りは、
 国内で発売されなかったのが非常に惜しいと思えて仕方が無い出来映えです。
 個人的にはアレスタ3と呼びたい作品です。


●番外編●

↑MSX2版
 ディスクステーションSP秋号に収録された作品。
 アレスタとタイトルには付いていますが”外伝”が表す通り、ゲーム的には他のシリーズと異なり、
 自キャラは地面を歩いて(走って)いて、ジャンプで地形や障害物を回避して進んで行く
 アクションシューティングとなっています。

 後にMDで発売される武者・電忍に通じる人型アレスタシリーズの原点とも言える1作です。





●ガーディック シリーズ

↑ガーディック MSX版
 他のコンパイルシューティングとは少し毛色の違う独創的な内容の本作ですが、
 基本的な部分は、自機が画面内を8方向自由に移動できる固定画面シューティング。
 自機の装備には、”移動スピード”・”ショットパワー”、
 シールドやショットの性質変更などの”特殊装備”の3種類があり、
 ステージ開始時に決められたパワー値内で、各パラメーターのパワーを決めるのですが
 各ステージに登場する敵キャラのアルゴリズムや障害物の配置によって、
 どのようにパワーを設定するかが、ステージクリアの鍵を握ります。
 また、各ステージは迷路のように繋がっており、ルート中の何処かにある
 敵母艦を全て破壊するのが最終目標となっています。
 どのルートを選択してステージを攻略していくかも、本作のキモであり楽しみとも言えるでしょう。



↑ガーディック外伝 FC版
 ガーディックと称されてはいるが、MSX版とは全くゲーム内容の異なるFC版。
 ガーディックのサブタイトルである「ラビリンスシューティング」という点で、
 迷路(アドベンチャー)とシューティングからなる構成の部分だけが共通していると言えます。

 ゲームは基本的に、ラビリンスとダンジョン(コリドール)からなっていて、
 11エリアあるセルダの伝説風なラビリンスを探索、アイテムや情報を収集していき、
 縦スクロールシューティングで構成されたダンジョン(コリドール)の入り口を探し出します。
 ラビリンス内に隠された21あるダンジョンでボスを倒すと、
 次へのラビリンスのキーが入手できたり、安全装置を起爆する事ができ、
 最終的には、10個の安全装置を起爆し、このゲームの舞台である
 惑星ナジュを破壊するのが目的となります。

 パッケージイラストにもなっている、本作の主人公女性型ロボット、通称「ミリア」が

 シューティングパート開始前のデモで、マ○ロスよろしく変形するのも見所の一つですね(笑)
 あまり話題に上がる事のない本作ですが、遊び応えのあるオススメのゲームです。


●番外編●
ストーリー的にはガーディックシリーズ第1作目に当る、縦スクロールシューティング「ファイナルジャスティス」
ザナックと同様に画面上から流れてくるボックスを撃って、その中のパワーアップアイテムを取りつつゲームが進行していきますが
コレが結構硬くて、パワーアップしていくのが結構しんどいです。
ダメージ制の為か敵の攻撃も厳しく大味な展開で、面白さよりもストレスを感じる方が多くて私には合いませんでした。

ガーディックシリーズには、他にディスクステーションで連載された縦シュー「ブラスターバーン」も
ストーリ的に繋がっていますので、興味のある方は要チェックですよ。





●スプリガン シリーズ

↑精霊戦士スプリガン PCE版
 これまでスペースシューティングが多かったコンパイルですが
 ソレらとはうって変わって”魔法”と”精霊”がキーワードのファンタジー風縦シュー。
 このゲームでのパワーアップ方法が結構独特で、
 地・火・風・水の4種類の”精霊球”と呼ばれるアイテムを取ってパワーアップし、
 それらを3つ、自在に組み合わる事によって、29種類の攻撃形態に変化します。
 中には使いづらい形態もあったりしますが、色々と組み合わせてみて、
 使える形態を探すのもこのゲームの楽しみです。
 基本的には、3つバラバラの精霊球を組み合わせるよりは、
 2種類の精霊球を2:1で組み合わせた方が攻撃力が高くなるような感じですね。

 余談ですが、後にアーケードで発売された、ライジングの「魔法大作戦」が
 基本的なスタッフが同じなのか、続編かと思うほど見た目の雰囲気が似ています。



↑スプリガンmark2 PCE版
 本作mark2ではコンパイルシューには珍しいダメージ制の横シューで、
 基本的にストーリーを追う形のゲーム展開ですから、ゲームの難易度は結構抑え目です。
 ・・・が、これがまたストーリの方は熱くて、盛り上がりまくりの演出が満載!
 人型兵器”アームドアーマー”が主戦力の火星独立を賭けた近未来の宇宙戦争。
 仲間の裏切りによる新型アームドアーマー”スプリガン”の強奪事件から始まるストーリーは
 ガンダム世代には堪らない展開のドラマが十二分に堪能できます。
 ロボ物好きの方には絶対オススメですよ。


●番外編●

↑超獣機スプリガンパワード アーケード版
 コンパイル倒産時に放出された未発表の幻の一品。
 基板の構成からすると90年代前〜中頃、ちょうど「ぷよぷよ」が盛り上がりを見せ始めた頃の
 物かと思いますが、まさかアーケード向けに、こっそりこんな物を企画していたとは驚きです。
 とはいえ、完成度で言えば20%程度のデキと想像され、2ステージしか遊ぶことが出来ない状態です。
 テストモードではBGMを一通り聴く事はできますが、ゲーム中は効果音のみの状態なので、
 サンプル的に作ってはみたが企画が中断してしまったのかと想像してしまいます。
 ファンとしては、初のアーケード向けコンパイルシューの完成形が見てみたかったですね。

 ちなみに、SFCの「スプリガンパワード」とは内容的に共通点は見られませんでした。






●その他のコンパイルシューティング

↑シルフィア PCE版

自称:正統派美少女シューティング…だそうです。
難易度がかなり低く設定されていますので、手馴れたシューターなら
初見オールクリアもありえそうです。



↑ガンヘッド PCE版
オッパイパ〜イ(意訳)





↑ガンヘッドSP PCE版
 ハドソン全国キャラバンで使用された大会用ソフト。
 通常版のステージ3を使い、2分モード・5分モードの2種類のタイムアタックが楽しめます。
 今でも当時のキャラバンスコアの更新に燃えている方には重宝するソフトですが
 プレイできるのはタイムアタックだけですから、普通にガンヘッドを遊びたい場合には
 あまり意味の無いソフトですね。

 ソフト自体は一応”非売品”となってますし、
 コレクターズアイテムとしては、かなり貴重な一品ではありますが、
 ちなみに私がコレを入手したのは、たまたま立ち寄ったリサイクルショップで
 いわゆるクズの裸ソフトらと同じ待遇で売られているのを運良く見つけました。
 世の中、意外な所で意外な物が見つかったりするから面白いですね。





↑ガンナック FC版
 FCのパロディ系シューティングの「ガンナック」。
 このタイトルって「ガンヘッド」と「ザナック」を合わせてるんでしょうか。

 ステージが月、火、水・・・と一週間に合わせた展開となっていて、ステージ1では
 月に居るのはウサギって事でボスはメカウサギだったりと洒落てます。
 面の最初にはショップがありパワーアップアイテムも購入できます。

 グラフィックも書き込まれていてFCソフトとしては及第点以上だと思いますし
 オプション設定でスピード優先かスプライト優先かも変更でき
 細かい配慮も怠らない丁寧に作られたいいゲームですので一度お試しあれ。




↑ガルケーブ SG版
(画面写真はDS収録MSX版)
 コンパイルでは珍しい、横シューの「ガルケーブ」。
 セガSG版とMSX版が発売されており、内容はほぼ同一だがMSX版は2ステージ多い。


 グラディウスを意識したようなパワーアップシステムですが、
 単純に真似ではなく、ちょっと変わった味付けがされています。
 画面下にパワーアップゲージがあり、数字の書かれたチップを取っていくと、
 その数字分だけゲージが移動していきます。

 それぞれのゲージはどんなパワーアップなのかは表示されていないので、
 そのゲージに止めてみるまで判りません。
 当然はずれのゲージもあり、最弱になったりもしますので博打要素は高いです。
 使えるパワーアップのあるゲージを覚えるのがポイントです。
 結構マイナーですが、意外に遊べる秀作だと思います。